ご家族さんに向けての記事です。ヘルパーさんの関わり方がわかります。
目次
ゴミ出し風景
朝、家庭のゴミ出しでこんなやり取りがありました。
母が父に言いました。「ゴミ出ししんどかったらいいよ。」
父は言いました。「いやワシが持っていく。」
そこに居合わせたヘルパーは「私が持っていきましょうか?」と問いかけましたが、父は「大丈夫だ」と云うので、そこで見守ります。
利用者さんの心理
母は父がしんどいのを知っています。だから「ゴミ出しはいいよ」と云ったわけですが、父は「ワシがもっていく」と言い張ります。この心理を分析すると。
- ワシはまだまだ大丈夫
- ワシはまだ弱っていない
- 気を遣われたらしまいじゃ
と気張っているのでしょう。体力や体は加齢と共に衰えていても、気力がまだまだ衰えていない。
ここが今回の介護のポイントです。
自立支援のための介護
どんなに体に障害を持っていても、気力さえあれば生活意欲は輝き放ちます。そして在宅生活は続けてゆく事ができます。
これをヘルパーさんが良かれと思って強引にゴミ袋を持ってしまうとどうなるか?
- 利用者さんの気力を奪ってしまう。
- 利用者さんの仕事(役割)を奪ってしまう。
気力がなくなれば生活意欲が低下します。おのずと依存的になりベットで寝がちな生活になってきます。
仕事(役割)が無くなれば、相互扶助から外れて自分は他人に生かされれているだけの存在となります。社会の役に立つことで自己の存在価値が高まり、自尊心をもって生きていけるのに、それが無くなると生きる意欲が失われてしまう。
そして要介護状態がゆっくりと確実に悪くなってゆく。
だから利用者さんの自立を守るためには、良かれと思ってのお節介の押し付け介護はしてはいけない。ここはぐっと我慢です。
転倒しそうであれば一緒についていくなど、出来る範囲での見守り介護をする。ここがヘルパーさんの自立支援を軸におく利用者さんへの接し方になってきます。